最近、がんと闘うNK細胞を活性化してがんを治そうとする免疫療法や、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑教授のがん免疫薬「オプジーボ」など、体内のNK細胞を活性化する手法が注目を浴びている。
がんの延命率は上がってきたものの、未だ”完治できる確率”の高い病気でない以上、「予防に勝る治療はない」と考え、私は7、8年前から温泉による実証実験を行ってきた。

免疫療法はがんに罹患してから、医療行為としてNK細胞をいったん体外で培養することにより活性化して、ふたたび体内に戻すもの。ということはふだんからNK細胞はじめ免疫細胞を活性化することにより、がん細胞のいわば芽を早期に摘むと良いということでもある。入浴モニターの協力で、温泉で果たしてNK細胞が活性化されるか否かを検証してみた。
2013年9月16日から11月18日までの2か月間、週1、2回自宅から福島県高湯温泉の「あったか湯」に「通い湯治」をしてもらった。男性モニターは16人(平均年齢は57.8歳)、女性モニターは10人(平均年齢は58.7歳)で、結果はNK細胞活性は”有意に”増加を見た。成功である。