「健康長寿温泉」のススメ 第4章 第4回 温泉の老化現象(エイジング)

 効果が期待できる温泉の条件は、湧出地点で採取された源泉のORP(酸化還元電位)が低いだけではなく、私たちが入浴する浴槽の温泉の鮮度を維持できていること、つまり源泉のORP値と大差がないことが大切である。

浴槽を流れる間にも、湯の酸化は進む

高湯温泉の福島市営露天共同浴場「あったか湯」(撮影:松田忠徳)

 決定的に重要な点は温泉の抗酸化力だ。生き物、生ものは空気中の酸素にふれて酸化する。エイジング(老化)であった。温泉も湧出した時点では活性を有した生き物であるから、湧出地点(泉源)から浴槽に引湯される間に、酸化が進む。この間、温泉が動力揚湯(ポンプアップ)等により攪拌されるとそのリスクは大きくなる。湯量が少ない場合も空気にふれやすいので一般にリスクは大きいと考えられる。
 ところが、なかにはそのような影響を余り受けない温泉があることが私共の調査、研究で判明した。そのような温泉は昔から湯治の名湯、療養の名湯として、いまだに地域で根強い人気を保ち続けていることが多い。もちろん”効く”温泉だからだ。
 そのような温泉は湯口から浴槽に注ぎ込まれ、湯尻(湯口から最も離れた、湯が浴槽の外にあふれるところ。但し、濾過・循環風呂では湯尻はない)まで流れる間にも、容易に酸化は進まない。
 浴槽の大きさによって異なるため一概にはいえないが、湯が湯口から湯尻まで流れる間には想像されるよりも酸化が進む。その間に抗酸化力は半減以下はふつうで、4分の1、5分の1にまでに低下することは珍しくはない。

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