読む!?温泉 第2話 直湧き(じかわき)

「還元系」の温泉は何よりも鮮度が命!

 温泉は”生もの”、”生きもの”です。私たちが採りたての野菜や果物、あるいは水揚げしたばかりの魚介類にこだわるように、地下から湧き立ての温泉にこだわるのは科学的で理に適ったことです。
 生きもの、生ものは”鮮度が命”ということですね。温泉は地下深く無酸素状態で誕生しますから、地上に湧出して酸素にふれ続けることは、その”生命力”を失うことにつながります。つまり”効かない温泉”になりかねないということです。温泉はそれぞれ抗酸化力の差があるので一概にはいえないのですが、地上に湧出した温泉はほぼ2日で活性が失われ、ただの水になるといわれています。
 したがって、温泉の科学的な価値は「酸化されていない状態」にあるいえます。地下水や温泉は酸化と反対の”還元系”で、特に温泉は無酸素状態の地下数キロから十数キロの深さから湧きあがってくるので、還元系です。
 酸化とは簡単にいうと鉄がさびることでした。化学的には電子を失うことです。さびたクギを温泉水につけておくとさびが取れます。これを「還元した」といいます。採りたて、もぎたての野菜、果物も還元系ですから、美味しく、健康にも良い、つまり”効く”から、洋の東西を問わず人々はこれらに鮮度を求めて来たわけです。野生動物が人間のように生活習慣病に罹患しない一番の理由です。

乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」の直湧き露天風呂(撮影:松田忠徳)

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