読む!?温泉 第14話 榕菴の凄さ、世界トップレベルの熱海の温泉分析

 榕菴が試薬による温泉成分の化学分析だけに頼らず、視覚・味覚による分析をも併用していた点は興味深いことです。

緻密で秩序だった観察や考証による先見性

宇田川榕菴が温泉分析をした江戸末期の「熱海温泉絵図」。熱海の海に舟が浮かぶ(松田忠徳・所蔵)

 記録欄には、泉性(泉色、気味、比重)、化学的鑑定、所得物料、泉主治、鑑定年月日などが記載されています。泉性とは現在の泉質、泉主治は適応症のこと。それにしても榕菴の観察や考証が緻密で秩序だっている点に、驚きを禁じ得ません。
 共立薬科大学長であった温泉化学者、服部安蔵博士も、著書で、同じように榕菴の先見性を絶賛しています。
 その片鱗を熱海温泉試説で見てみます。

 泉性

 泉水色瑩白(えいはく)清冽ニシテ雨水ノ如シ著キ臭気無シ微鹹味(かんみ)アリ又苦味帯ブ『ホクトメール(浮き秤=松田)』以テ測ルニ蒸餾(じょうりゅう)水ニ比スレバ重キコト一度(測時『ハーレンヘイド』験冷熱器五十六度、験晴器二十九寸六分)ナリ。
 此泉ニ含ム中和塩ハ土質ノ中和塩ニシテ名ケテ塩酸加爾幾(カルキ)・・・・(以下、省略)

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