贅沢なかけ湯で、清々しい気分になる
前回、入浴マナー違反について苦言を呈しました。ここでは温泉の入り方について改めて考えてみます。
浴槽に入る前に、かけ湯をして汚いところを流す。これは家庭風呂でも常識ですね。ましてや温泉は赤の他人と湯を共有する場です。温泉の場合は、下半身などは洗い場のシャワーでしっかり洗い流してもいいのですが、私は日本の伝統的な流儀に則って桶を片手に浴槽に直行します。浴槽の縁に桶を置いてある場合は、「ここの経営者は入浴に対する素養がある」と考えて、このような風呂に出合えたことの幸運を素直に喜びたいものです。
温泉浴場は家庭風呂とは違って、ホンモノの温泉なら新鮮な湯がどんどんかけ流されているはずです。お湯はふんだんに使いましょう。それが温泉の醍醐味でもあったわけですから、贅沢に7、8杯、できれば10杯はたっぷりとかけ湯をしたいものです。天与の恵みに感謝しながら、”温泉天国”日本に住んでいることの幸せを感じながら―。きっと心まで洗われるような清々しい気分になることでしょう。