温泉を、極める! 第15回 美しい日本の私の入浴法

最低1週間は滞在した江戸時代の湯治

 わが国の温泉医学書の嚆矢(こうし)・香川修徳の『一本堂薬選』続編は、300年近くも昔に出版された温泉論ですが、その中に書かれている入浴法は現代人にも学ぶべきものが多い。前回、山崎大湖の「浴度」を紹介しましたが、香川修徳はこう指導しています。
 「入浴は一日に二、三回を基準とする。身体の弱い者は、一、二回とすべきだろう。強い人は或いは三回から五回に及んでも害はない。これを過ぎると疲労する。ところが田舎の凡人は、入浴の回数を知らない。(略)無病の人が予防の用意をしても、ただ疲れてしまうだけである」
 江戸時代には「温泉旅行=湯治」であったから、湯治場に最低1週間は滞在しました。江戸の後期ごろまで、ふつう温泉場での1泊のみの滞在は認められなかったのです。現代人は1泊2日かせいぜい2泊3日が温泉旅行の単位です。それだけに入浴法は無いに等しい場合が多いようです、家庭での入浴の延長線上に考えられていることがほとんどのようです。

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