台湾のちょっぴり温泉の話である。
私はさつまいものような形の台湾の地図を眺めながら、台湾の温泉のキャッチコピーを考えていたが、なかなかよいアイディアが思い浮かばない。九州より少し小さな島が台湾である。ところがそこは世界有数の温泉の宝庫でもあるのだ。
20年前に1年8か月をかけて「列島縦断2500湯」の旅を終えたとき、私は日本列島を”温泉の浮島”と呼んだものだ。より正しくいうと、温泉と瑞穗(みずほ)の国、即ち”温泉と瑞穗の浮島”であった。実際、日本列島には至る所で青々とした稲穂がそよぎ、かつて農家の人々を癒やしたであろう濃厚な湯けむりが立ち上っていた。
”温泉教授”の毎日が温泉 第15回 「麗しき温泉の浮島」を巡る旅へ
