天下人・徳川家康は400年前の慶長9年(1604年)に、熱海で1週間の湯治をしています。
家康は当時の湯治の習慣に則って、1週間の温泉療養をしました。すでに戦国時代以前から、湯治の最短サイクルは1週間と決まっていました。湯治に親しんでいた人たちが、1週間前後で湯治効果が得られたり、慢性病の緩和の兆候が現れたりしたところから、自然と決まっていったものと思われます。あの温泉は1巡り(1巡り=1週間)でよい、あそこは3巡りだ、などということもあったようです。これを“経験温泉学”と呼んでもいいでしょう。
近年になり、人間の生体リズムの乱れは温泉浴を開始してほぼ1週間で回復することが分かっており、日本の湯治サイクルの正しさは科学的にも証明されたわけです。
温泉健康楽 第8回 「 湯治は庶民のもの 」
