温泉健康楽 第5回 「 自然の癒し・温泉 」

 「キミは今年、まだ『湯治休暇』を取っていないね。このままだとリストラの対象になりかねないよ」
 「おっ、この会社は『有給湯治制度』があるな。よし、ここの採用試験を受けてみよう」
 これはもちろん架空の話ですが、会社の資本といえる従業員の健康増進のために湯治を活用し、その上で業績アップを目指す企業が現れたらどんなに素晴らしいことかと私は本気で考えています。なぜ湯治なのかといえば、それは、私たち日本人にとって、温泉ほど心身の癒しにふさわしいものはないと思うからです。
 日本が先の大戦に敗れたのは科学技術が劣っていたからだ、というある種の劣等感を私たちは抱き続けてきました。そして、社会のあらゆる場面で欧米化が進められ、今日に至っています。その典型的なものが、西洋医学への圧倒的な傾倒でしょう。化学的に製剤され、即効性を持つ医薬品は私たちに大きな恩恵をもたらし、世界でも有数の長寿国へと導いてくれました。

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