温泉教授・松田忠徳の〝温泉本〟案内 第四回 温泉と温泉宿選びのポイントと病気にならないヒントを知る。 『一度は泊まってみたい癒しの温泉宿』

 旅行雑誌や女性グラビア誌、テレビの旅番組など、温泉地や温泉旅館・ホテルのことを知る方法はいくつもあるが、この6、7年で急速に普及したインターネットによって、そこで得られる情報量は格段に増えた。かつては情報といってもせいぜい、浴室や料理の写真が眺められる程度だったが、インターネットにかかれば部屋の隅々からパブリックスペースはおろか、窓から見える風景、備品や調度類、宿主や女将、従業員の写真までが手に取るようにわかる。あたかも、すでに泊まったかのような情報を得て宿に向かえば、確かに“外れ”は少ないかも知れない。あとは、自分のサイフに見合う料金かどうかさえ確認すれば、もう安心だ。けれども、その宿が、期待した心地よさや、本物の温泉や、さらに味もよく素材にも優れた料理を提供してくれるか。そして何より、自分に合った宿なのかどうかは泊まってみなければわからない。それは、見かけの善し悪しや料金の違いが、必ずしもその宿の質を保障するものではないからだ……、と本書は言う。温泉行を通して癒しを得、リフレッシュする。ひいては自分自身で健康を守っていくという視点を、現代の風潮に触れつつ示してくれる一冊だ。

—-タイトルからすると、温泉宿のガイドブックのように見えますね。

松田 ある意味では“ガイド”と言えるかもしれません。本書は平成15年に発刊した『おとなの温泉旅行術』(PHP新書)の続編というイメージで、その翌年に執筆し、実はゲラ刷りまでできていたんです。温泉を巡る現状を俯瞰的に捉えた前著を受け、定年を間近にしたいわゆる団塊世代向けに、たとえば夫婦で向かう温泉の旅の指南書という内容になる予定でした。ところが、ある事情から最後の一章が完成しないまま丸4年が過ぎ、2007年問題と称された団塊世代の定年が始まってしまった。それで、内容を大幅に見直し、かつ最後の一章は全国の温泉地から“泊まってみたい宿”を選んで「平成温泉旅館番付」として付したんです。

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