飲泉は入浴とは異なり、「1、2杯飲んだからといってすぐに効果は現れない」と思われがちですが、岡山大学医学部附属「三朝(みささ)温泉病院」(鳥取県)で、1度飲んでも、連日飲んでも胃粘膜の血流量が改善されることが確認されています。
昔から、入浴でも、飲み湯でも、胃粘膜の血流量が増加するといわれていました。胃粘膜の血流量がふえると、胃の運動機能、胃液分泌機能が高まり、慢性胃炎、胃潰瘍の治癒だけでなく予防にも有効となる。しかも温泉の泉質は問わない。
入浴、飲泉による胃の運動機能の向上、胃酸分泌機能の正常化(胃酸の分泌の多すぎる場合は抑制し、少ない場合は促進させる)は、自律神経によってコントロールされています。それだけに温泉による自律神経調整作用の働きは貴重といえます。
鮮度の高い温泉を現地で飲むのが鉄則
温泉を飲むにも飲み方があります。水を飲むようにはいかない。泉質は問わない。ほとんどの泉質で効能は期待できるからです。湧出仕立ての新鮮で、衛生状態が担保(保健所からの飲泉許可のある)された温泉であれば大丈夫です。酸性度の高いもの、塩分の濃厚なもの、強い硫黄泉など、一部を除いて、大半は飲むうえで支障はないでしょう。