
訪日客であれほど賑わっていた大温泉地はどこも閑散としている。降って湧いたような新型コロナウイルス―。日本の観光地の多くは、訪日外国人を抜きには成り立たなくなっていたことが改めてはっきりとした。
観光地ばかりではない。銀座の高級デパートを始め、都市部、地方の観光地を問わず、飲食店、ドラッグストアなども、訪日外国人なしには成り立ちそうにないことが白日の下に晒(さら)されつつある。訪日観光客は日本の少子高齢社会を補って余りあったようだ。
いっそう困ったことは、国内旅行の主役であった日本のリタイア組やお年寄りも、家に閉じ籠もり、日本の観光の今後の先行きが見通せない状況になりつつあることだ。
マスクがない――ピリピリした状況のなかで
人一倍出歩くことが好きな私まで、”閉じ籠もり症候群”のお仲間には入りたくない。かと言って、地下鉄やバスに乗って街中に出かけるには防御のツールがない。マスクが入手できないのだ。入手する努力を怠っているわけではない。ドラッグストア、コンビニ、私が住む札幌市内はもちろん、地方に出るたびにまめに覗いている。
特に北海道は訪日客が多いので、人口2000人にも満たないような片田舎でも結構な規模のドラッグストアがあったりするのだが、マスクが無い。もう1ヶ月以上になるが、お手上げ状態が続いていて、さすがに内心焦りが出てきた。