温泉を、極める! 第21回 洗い流す文化と、心を清める 浸かる文化 野中温泉(北海道)の男性用風呂場。科学的に日本屈指の”温泉力” を有する温泉だけに、大正時代の創業以来、浸かるだけで十分。洗い場 はない。文字通り心身を清めて清浄にする、これぞ日本の温泉。(撮影:松田忠徳) 2022.01.21 心身ともに清浄を求める日本人の精神性 洋の東西を問わず、人生のスタートは産湯で、湯で体を清めることから始まります。しかも日本人は、人生の幕を閉じた同胞を棺に納めるとき、湯灌(ゆかん)をして清めます。「死=穢(けがれ)」であるから、死者をきれいにして彼岸に送ってあげようと考えるのです。 このように日本人には古来、人生のスタートと最後を”湯”で清める習慣が根づいてきました。「心身ともに清浄」を求めることが、日本人の精神の根幹を形作っているからです。 このコンテンツは会員限定です。無料の会員登録で続きをお読みいただけます。無料の会員登録会員の方はこちら