毎分150リットル、自噴の極上湯
1998年1月から翌99年9月にかけての『列島縦断2500湯』の温泉の旅で初めて出合って以来、「妙見石原荘」の大浴場「天降殿(あもりでん)」の豪快な湯口をもつ浴槽に何度浸かったことか、正確には思い出せない。九州は私の肌感覚によく合う温泉が多いエリアなのだが、それにしても遥か遠くの霧島まで30回は訪ねただろうか。石原荘の湯は、何度浸かっても飽きがこないことだけは確かである。この男性風呂の豪快に吹き出す湯口の写真を眺めていると、また入りたくなってしまうほどなのだから。
湯口から吹き出る大量の温泉を見て、「なんとも贅沢な」と思われるだろうか? あるいは「そんなに、もったいない!」と叫ばれた方もいるかも知れない。だが、心配はご無用。自噴泉なので、湯が枯れることはまずないだろう。大浴場の傍らを流れる天降川の水量が著しく減少しないかぎりは。毎分150リットルが自噴する泉源から極上湯は湧出し続けるだろう。もちろん熱源は霧島火山のマグマである。