”温泉教授”の毎日が温泉 第74回 ”三途の川”の向こうにある、霊場恐山の霊泉(その1)

薬研温泉から恐山へ、下北半島の温泉巡り

 先だって古書店で、珍しい『奥州南部恐山写真帖』を入手した。写真帖といっても、大正13(1938)年に地元青森県田部町の円通寺で発行されたものだから、現在のような豪華な写真帖とは程遠い。事実、普通紙にモノクロで印刷された60ページに満たない冊子のような本である。

1938年に出版された『奥州南部恐山写真帖』(松田忠徳・所蔵)

 6000円近くもする古い写真帖を買った理由(わけ)は、恐山の入浴施設の外観の写真が3点と、4ページにわたって恐山温泉の分析表と入浴の注意事項が細かに記載されていたからであった。
 実は昨年の秋に2、3年ぶりに下北半島の温泉巡りをした際に、いつものように薬研温泉から林道を恐山へ南下したばかりであった。
 下風呂、薬研、奥薬研、恐山、湯野川などの個性的な温泉が散在する青森県の下北半島は北海道の延長線上のような気がして、40年ほど前からSUV車でよく遠征していた。要するに私のお気に入りのエリアなのである。現在は函館~大間航路しかないが、以前は室蘭~大間、室蘭~大畑の間にも北海道と下北半島を結ぶカーフェリーの航路があったため、体力のある若いころはよく温泉巡りに利用したものだ。

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