2.温泉で抗酸化能を高める
血液中には過剰に発生した活性酸素・フリーラジカルに対抗する抗酸化物質が多数存在している。内因性抗酸化物質として、アルブミン、トランスフェリン、セルロプラスミン、ビリルビン、尿酸、還元グルタチオンなど。外因性抗酸化物質として、トコフェロ-ル、カロテン、ユビキノン、アスコルビン酸、メチオニン、フラボノイド、ポリフェノ-ルなどがあげられる。
採血により血中の抗酸化能の変化を調べる
抗酸化能測定(BAPtest=Biological Antioxidant Potential test)は、これらの血液中抗酸化物質が活性酸素・フリ-ラジカルに電子を与え、酸化反応を止める還元力を総合的に評価したもの。簡単に言い換えると、「過剰な活性酸素・フリ-ラジカルに打ち克つ力」をテストするものだ。この力が強ければ細胞の酸化(錆)を防いだり、抑制したり出来る。
具体的にはFe(Ⅲ)を含む試薬に血漿を混ぜると、抗酸化物質の作用でFe(Ⅱ)に還元され、脱色する。この色の変化を光度計で測定し、血漿の抗酸化力を評価する。この結果を数値化したのが【図表1】である。

寿都温泉「ゆべつのゆ」の「3か月通い湯治モニター」42名に対して、採血による抗酸化能測定を行った。通常は食生活が反映される検証だが、仕事、食生活、飲酒、喫煙等の日常生活はそのままで、週に1、2回の温泉浴が加わると「疾病に打ち克つ抗酸化能」はどう変化するかを調べた。
結果は週1回入浴群も週2回入浴群も共に抗酸化能は”有意に”増加した。【図表2】、【図表3】を見ながら、それぞれの群のモニターを個別に見てみよう。