”温泉教授”の毎日が温泉 第78回 群馬の秘湯、尻焼温泉の”川の湯”で、豪快な湯浴みを楽しむ(下)

「とても感じの良い宿」だった「関晴館別館」

 そんなわけで九州の温泉をほぼ巡り終わった後、中国・四国、関西を飛び越えていったん関東周辺へ大移動することにした。

「列島縦断2500湯」の旅の途上、キャンピングカーで取材、執筆した単行本『関東周辺とっておきの秘湯』(平成10年刊)に収録した「関晴館別館」を紹介するページ

 草津経由でキャンピングカーで尻焼温泉を訪れたのは、「関晴館別館」を取材するためであった。列島縦断の旅を終えた2,3年後にも再訪したが、「とても感じの良い宿」との印象が現在に至るまで強く脳裏に刻まれ続けた。
 温泉も清々しかった。内風呂から豊富で山の空気のように澄明な湯がまるで川のように大量にかけ流されていた。露天風呂もまさに秘湯の宿にふさわしく自然の真っ只中にあった。それが今回、廃業し、別の宿に変わっていることを知り、ショックを受けた。「あれほど好感度の高かった宿が、なぜ?」。もっとも最後に訪れてから20年は経過していた。その間の事情は知る由もなかった。

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