温泉を、極める! 第13回 温泉場の原点は、湯元にあり

地元の人たちが湯元を守る一級の温泉地

 草津、別府、野沢などの有名温泉地には昔から知られる湯元があります。温泉が噴き出している泉源のことです。
 草津では温泉街の中央にある湯畑、別府では鉄輪(かんなわ)などの地獄群、信州の野沢では秋に野沢菜をゆがく姿が見られる麻釜(おがま)などが湯元です。地元の人たちが、自分たちの生命線として湯元を大切に扱っているところは間違いなく一級の温泉地でしょう。草津や野沢は、その点でピカ一です。

湯元、外湯のしっかりした温泉地を探したい

 こうした草津、別府、野沢などは、外湯をもつわが国の代表的な温泉地でもあります。外湯、つまり共同湯―これがしっかりしているところは湯量が豊富であることの証です。その昔、近隣から温泉に入ろうと人が集まり、そうした浴客をお目当てに商売する人たちも現れ、海の幸、山の幸を持ち寄って市が立ち、次第に活気溢れる湯町が形作られたわけです。
 山形県の温海(あつみ)温泉などは、江戸時代からの朝市がいまでも続いています。山菜や地元の畑で採れた農産物、あるいは日本海の新鮮な魚介類が並ぶのです。遠方からの湯治客がふえてくると、今度は外湯や市の周辺に宿が生まれます。人の往来が盛んで競争が激しいだけに、宿としての実力が試されます。
 こう考えていくと、湯畑(湯元)、外湯のしっかりした温泉地には、いい宿が発見できそうです。温泉サイト(温泉教授の毎日が温泉.com)や温泉案内書、雑誌などを見ながら、予算に応じて、自分の気に入った温泉宿に泊まってみましょう。もちろんポイントは、本物の温泉がかけ流されている風呂をもつ宿ですね。

このコンテンツは会員限定です。無料の会員登録で続きをお読みいただけます。
無料の会員登録
会員の方はこちら
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました