長野県の飯田市に隣接する昼神温泉に行ってきた。今年の正月明けに実施した「温泉療養効果実証調査」の報告会のためである。この地方は長野では南信と呼ばれる。もちろん長野はわが国を代表する温泉県で、別所、白骨、野沢、渋など全国区の温泉は多いが、南信=南信州は温泉の数は少なく、有名な温泉もない。
ところが昨今、全国的に温泉旅館の数が減少する中で、阿智村にある昼神温泉の旅館数は20軒前後を維持し、レベルの高い優良温泉地なのである。過去30年間に旅館数が半減したり、外資に買われた施設が少なくないなかで、昼神はもっとも安定した温泉地のひとつなのだ。

鉄道がないためアクセスはもっぱらマイカー頼り。ただ中央自動車道と直結していて、名古屋から近いため、”名古屋の奥座敷”として着実に発展してきた。ネオンサイン類、バー、風俗店等の出店を村の条例で規制しているため、自然と調和した好感度の高い保養温泉地といえる。
最近は”日本一の星空の里”で売り出し、夏場は首都圏からも女性を中心とした若い人々で賑わい、新たな客層の掘り出しに成功している。