蔵王温泉・活性化策検討の協議会、3年間の取り組みを総括

山形県の蔵王温泉の活性化対策を官民が一体となって検討している「蔵王温泉“人・まち”づくり協議会」が、3月11日、山形市の蔵王体育館で「蔵王温泉まちづくりフォーラム」を開催した。
協議会は、蔵王温泉観光協会、山形市、県村山総合支庁の3団体により2005年5月に設立された。部会に分かれた調査、研究のほか、定期的にフォーラムなどを開催してきた。
フォーラムは、関係者約50人が出席して行われた。協議会設立から3年間の取り組みを総括し、今後の活動につなげることを狙いとし、基調講演やパネルディスカッションが行われた。
基調講演を行った堀繁東京大教授は、蔵王温泉の現状と課題を分析し、「観光客が観光地を評価する基準は『客を大事にし、楽しませてくれるかどうか』だ。鍵になる道、施設、交流拠点を戦略的に変えることが必要」と語った。
その後、蔵王温泉やJRの関係者を迎え、「蔵王が生き残るために今できること」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
パネラーからは「ようやく活性化の具体策の輪郭が見えてきた。ぜひともみんなで協力し、実現させたい」、「傍観するのではなく参画することが第一」などの意見が出された。
3年間の取り組み成果としては、蔵王カボチャなど特産品を使った名物料理のレシピ作成、温泉の効能などをまとめた「温泉手帳」の発行、まち中歩きルートの開発などの事業報告がされた。
上湯共同浴場の移築に合わせた中核施設整備の基本構想の検討については、継続的に取り組んでいくという。