大手エージェントのツアー客だけを歓待する、旧態依然の宿
松田 最近は、若いサラリーマンなど、社員旅行を敬遠すると言いますね。高度経済成長時代にピークを迎えた団体旅行は、時代の変化とともに下火になり、今は個人旅行の時代と言われます。雑誌などでも、一人や二人、せいぜい少人数で愉しむ旅が特集を飾ったりしていますが、その一方で、迎える側----すなわち旅館・ホテルの感覚には旧態依然としたものが根強くみられますね。
小瀬 飛騨の豪農屋敷の造りを残すうちの旅館は、まあ何もないけれども、地元の田舎料理と心地よい温泉で、ゆったりしていって欲しいという、その意味では地味な宿ですが、大手旅行エージェントなどが時々、ツアーのキャンペーンにタイアップして欲しいと来るわけです。お客さんが来てくれることには異論はないし、タイ...