有馬温泉で文豪気分を味わう「自分史プラン」はいかが?

兵庫県神戸市の有馬温泉旅館協同組合は3月から、温泉に1週間程度宿泊してこれまでの半生を振り返って執筆してもらう「自分史プラン」を始める。
ターゲットは定年退職を迎えた団塊の世代。企画した旅館主らは、「谷崎潤一郎や吉川英治ら文豪が愛した有馬に滞在し、その魅力に浸ってほしい」と話している。
有馬温泉の26の旅館やホテルが参加。かつて、作家が原稿執筆のため長期滞在したことをヒントにプランを考案、自費出版を請け負う編集プロダクションの協力を得て実現した。
プランは、「自分史の目次を作る2泊3日」、「おおまかな筋書きを書く4泊5日」、すでに自分史を執筆している人向けの「校正や出版計画を立てる6泊7日」の3種類。
滞在中に編集者と打ち合わせを重ねることができるほか、進行具合をたずねる電話を入れて、締め切りに追われる作家気分も味わってもらうそうだ。
また、滞在先の旅館では、従業員がプラン参加者を「先生」と呼び、執筆の進み具合をのぞきに来たり、夜食におにぎりを出したりして、文豪気分を演出する。原稿が書き上がれば、編集者が手直しし、印刷して自宅に郵送する。
同組合に加盟する「元湯龍泉閣」の當谷(とうたに)逸郎社長(35)は、「春は退職など節目の季節。大切な思い出を文章にし、疲れたら温泉に浸かる。そんな文豪の生活を体験してほしい」と呼びかけている。
料金は、宿泊費とは別に1万5,000〜3万円程度。
問合せは、有馬温泉観光総合案内所(TEL:078−904−0708)。