営業マンの「営業日誌」 第2回 '07 6月7日

奥那須 大丸温泉旅館
那須の茶臼岳の中腹、標高1300メートルに位置する、那須で一番高い温泉を安政年間から200年以上にわたって守る一軒の湯宿が、大丸(おおまる)温泉旅館です。
源泉そのままの湯をひたすら守り続け、奥那須の源泉から流れる湯の川(白土川)を自然のまま露天風呂にしたて、内湯は熱めの源泉を季節により調整して適温にする。5代目社長大高秀三氏の品のある物静かな語り口の中に、天然自然のお湯が一番のおもてなしという信念がうかがえます。
「私のところには、カラオケも何もない。ただ、北関東屈指の湯量を誇る温泉の自然を生かし、環境を守ることと、木のぬくもりのお部屋やロビーでゆったりとくつろいで頂けることを心がけています」
古(いにしえ)の湯治の心を保ちつつ、現代の多忙な人たちにプチ湯治を提供してくれる上品な山中の湯宿です。
板室温泉 一井屋旅館
その昔、塩沢と呼ばれたこの場所に板室の人たちが温泉宿を始めたのが900年前だといい、いつの頃からか板室温泉に。200〜300メートルも掘削すると自噴する温泉です。
もともと地元の農家の人たちの湯治場だったものが、昭和50年代の高度成長期に東京浅草の商店主や工場経営の人たちで賑わい、宿も20件以上に増えました。
現在は、ひと頃の賑わいも去り、静かな現代風湯治宿と言った趣です。
女将・室井節子さんは開口一番、「特別なことは何もしていません。温泉と普通の料理があるだけです」。
自慢は木風呂。古い木造船のようなつくりで、柔らかな肌触りと透明なお湯になんともいえない安らぎを覚えます。ロビーでお土産を買っていく人たちもみな、お馴染みさんのようで、女将さんと親しげな会話を交わしています。
今年、敷地内に新たに源泉を掘削、毎分400リットルのお湯が得られました。これをどう生かすか、宿と女将の手腕が問われるところです。