湯村温泉街の古きよき外湯「薬師湯」3月閉館・移転

兵庫県新温泉町の湯村温泉街の中心部にある外湯「薬師湯」が、3月29日、約100メートル離れた旧温泉町役場跡に建設中の「湯村温泉観光交流センター」へ移転する。現在の施設は28日までで閉館となる。
薬師湯を管理する湯財産区や、1967年に出版された『温泉町郷土読本』によると、現在の薬師湯は1961年に完成、80年に大改修が行われた。2階建てで1階に浴場があり、2階は大広間や財産区事務所となっている。
男女別の浴室は、円形の浴槽が一つと泡風呂だけというシンプルな造り。タイル張りのレトロな雰囲気が魅力で、インターネットなどでも「昔ながらの雰囲気の温泉」「古き良き時代の銭湯」などと好意的に評されていた。
湯財産区によると、1985年ごろは約13万人だった年間入場者も、近年は各地に日帰り温泉施設ができたことなどにより、8万人程度に落ち込んでいた。
移転後の公衆浴場も「薬師湯」と名付けられ、現在の薬師湯は今年夏ごろ以降にミニ公園として生まれ変わる計画。
常連客の地元男性(48)は、「温泉街の中心にある建物がなくなってしまうのはとてもさみしいが、新しい薬師湯に入るのも楽しみ」と話していた。
薬師湯は午前7時〜午後10時半(入館は10時まで)。大人300円、小学生以下200円。3月17日休館日。
問合せは、湯財産区事務所(TEL:TEL0796−92−1081)。