雄琴(おごと)温泉の来訪者数過去最高、JR駅名は「おごと温泉」に改名

滋賀県大津市の雄琴温泉では、各旅館が工夫を凝らして誘客に励み、2007年の来訪者数が過去最高の54万3,000人を記録した。
かつて団体客や男性が中心だった客層を女性グループや家族連れにも広げ、客室に露天風呂を設けたり料理を充実させたりして、それぞれが趣向を凝らした旅館づくりに取り組んでいる。
旅館の若手経営者が毎月集まって議論した。旅館同士で、「いいアイデアだと思っても、雄琴ではまねをしない」と約束した。その結果、各旅館が個性を生かしながら競争力を高め、リピーターの増加にもつながったという。
雄琴温泉はおよそ1200年前、平安時代に最澄が開いたとされる歴史ある温泉。しかし、歴史の上にあぐらをかくことなく、おごと温泉観光協会が新しい施設を作り、次々と新しい企画を立てて温泉街に活気を吹き込んでいる。2007年には大津市の掘削工事により3カ所目となる泉源も確保した。
JR湖西線の雄琴駅は、3月15日から「おごと温泉」に駅名を変えることになった。おごと温泉観光協会が改称を求めて住民と協力し、3万2,000人分の署名と要望書を集め、県、市、JR西日本に提出するなどした成果が実った。
「おごと」を平仮名にしたのは、子どもにも読めるという理由から。かつての歓楽街のイメージを払拭し、家族連れやカップルなど個人客をターゲットにしたい意向。また、5文字の駅名は路線図上でも目立つという。
また、駅名改称と同じ日、駅前に足湯施設もオープン。日吉大社の前にある子育て地蔵堂の六角堂をイメージし、その名も「おごと温泉六角足湯」。広さ約9平方メートルで、630万円をかけて観光協会がつくった。誰でも無料で楽しめる。