湯西川温泉旅館5軒が「ISO」取得 環境保全への取り組みPR

栃木県日光市の湯西川温泉のグループ旅館・ホテル5軒が、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」(環境ISO)の認証を取得した。
2月25日、湯西川温泉で認証式が行われた。観光地の旅館がグループで環境ISOを取得したのは、東日本で初めてという。
認証を受けたのは、「伴久ホテル」「本家伴久萬久旅館」「彩り湯かしき花と華」「湯西川白雲の宿山城屋」「かめや平家の庄」。
湯西川温泉旅館組合の山城義宣組合長は、「環境に優しい旅館群をアピールして、集客につなげたい」と期待を寄せている。
湯西川温泉の宿泊客は1994年の40万3,640人をピークに減少し、過去3年間は約29万人で横ばいとなっている。
2006年11月、萬久旅館の伴輝彦専務が、「湯西川は平家落人伝説が売り物だが、新たな魅力が必要。山に囲まれて水もきれいなので、環境保全への取り組みをアピールしてはどうか」と環境ISOの取得を提案した。
以来、約1年4か月がかりでグループでの取得が実現した。
グループでの取得は、1軒でも環境適合基準を満たさなければ全体が失格となる。各旅館は宿泊客の食べ残りを減らせるメニューを研究し、1日あたりの生ゴミの量を100キロ以下に抑えるように努力した。
また、節電や印刷された紙の裏をメモ用紙代わりに利用するなど、環境に優しい取り組みを続け、昨年12月と今年1月、「日本環境認証機構」による現地審査をクリアしたという。
認証後は、年間2%の電気使用量削減やゴミのさらなる減量も求められる。萬久旅館の伴玉枝大女将は、「今年中に食事の割りばし使用をやめ、洗えるはしか、お客さんの“マイはし”での食事を推奨したい」と話している。