那須温泉のホテルで温泉熱を使ったCO2削減システム導入

栃木県那須町那須温泉の2か所のリゾートホテルで、温泉熱を熱源として利用するシステムが導入され、注目を浴びている。
ホテルでは、源泉から湧き出した直後の熱や使用後に捨てる温泉の熱を、暖房やシャワーに使う水を温める熱源として利用しており、二酸化炭素(CO2)の排出削減に効果を上げているという。
全国的にもユニークな取り組みで、推進している那須温泉地球温暖化対策地域協議会(廣川充彦会長)では「エコな那須温泉」をPRしていく考えだ。協議会は、源泉の余熱、排熱の効率的な利用を図るため、那須温泉旅館協同組合、同町温泉保護開発協会が中心となって2006年11月に設立された。
同協議会では2008年度、新たに10カ所のホテルなどでこのシステムを導入する方針。同協議会の稲川裕之副会長(新那須温泉供給会社社長)は「将来は那須温泉だけで年間1万トンのCO2を削減できる環境を整えたい」と語る。
この取り組みは、環境省のCO2削減のモデル事業に採択され、建設費の3分の1が国庫補助されている、ホテルサンバレー那須は3,064万円、那須ビューホテルは1,000万円を自己負担している。
同省地球温暖化対策課では、「余熱・排湯は今まで気づかなかったエネルギーであり、全国の先進的なモデルになる」と話している。
取り組みについて2月9、10日、東京・丸ビルで開かれる「ストップ温暖化一村一品大作戦全国大会」(全国地球温暖化防止活動推進センター主催)で発表される。