庄助 
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温泉エディトリアル

第8回 山中温泉を歩く

 ついにやってきた、石川県の山中温泉。その中でも代表的な「かよう亭」に宿を得て、雹が降り始めた中をやっとの思いでたどり着きました。
 さて、「かよう亭」には露天風呂がありません。また、温泉は半循環なので、源泉率100%の良質な泉源を持ってはいますが、かけ流しのお湯を求める人には、少々物足らない面があるかもしれません。とはいうものの、広大な1万坪の敷地の中にたった10室という贅沢な余裕と、季節の花々が置かれた廊下、部屋で受けられるアロマテラピーのマッサージ、個性的な作品を無料の天然ハーブティーを飲みながら鑑賞できるサロン、「日本一の朝ごはん」と評判の高い料理……これらは文句のつけようがありませんでした。文句どころか、日本全国で考えても非常にレベルの高いものではないでしょうか。
 閑話休題。
 宿を選ぶときにネットで検索する人も多いと思います。初めての宿で、口コミ評価が得られない場合や、ガイドブックで薦められていても、具体的な様子をもっと知りたいという場合があるものです。そんなときにちょっとした情報を得るには、ネットがいちばんです。
 私もそのひとりで、すでに紹介させていただいた『25点満点評価つき 温泉旅館格付ガイド』を作成するにあたり、500軒ほどの宿について何度もネットで検索しました。今ではホームページを作成している宿も多くなり、具体的な交通手段や連絡先を知るには非常に便利です。
 ただ、相当数を見て思うのは、結局、自分で行かないとわからない、ということです。当たり前と思われるかもしれませんが、ネットで得られる情報というのは、所詮はホームページ作成者や、ブログなら感想を書いた人の感性によるものです。簡便に情報を得られるのはよいとしても、それがすべてだと思ってしまうのは、「もったいない」と私は思っています。逐一写真で細かく撮影している旅行者のホームページを見ていると、もちろん情報として役立つことは役立つのですが、その場その場を味わう方が先決では……? 撮影中にこの人楽しんでいるのかな? とも思ってしまいます。単におせっかいかもしれませんが。
いずれにしても、宿の公式なものでも、ホームページを作成するのが下手な宿もあれば、あえてそこで情報を公開しない人気の宿もあり、ひとつの「看板」の出し方にすぎないともいえます。また、ブログに書かれた感想は、信頼できる人のものもあるでしょうが、玉石混交なので、選ばないと「曇っためがね」で判断してしまうこともあります。宿もお湯も生ものですから、そのときそのときで移り変わります。ガイドブックについてもいえることですが、あくまでも「こうなのかな」というくらいに留めて、自分の目や感覚で、しかと受け止めることが大切でしょう。
「かよう亭」に話を戻しましょう。この宿で驚いたのは、やはり食事です。さまざまなケアをしているようで、「Yahoo!トラベル」のJTB提供情報によると、「塩分控えめの食事、コレステロール値・脂肪控えめの食事、糖尿病食の提供ができます。きざみ食への変更や、ご飯のおかゆへの変更が可能です。苦手なもののお伺いをすることができます。アレルギー(卵、乳製品、落花生、そば、小麦、大豆)に対応した食事の提供が可能です。ベジタリアン食(卵、乳製品を含む。卵、乳製品を含まない)の提供が可能です」という案内がありますが、まじめなこの姿勢には驚きます。ここまで徹底して謳える宿というのはなかなかないでしょう。特に私の場合は、そばとピーナッツのアレルギーがあり、ピーナッツの場合は体調次第では吐いてしまうこともあるほどなので、これは大きな問題なのでありました。
 お料理を盛る器も美しいものが多く(残念ながら、「良さそう」というだけで品定めするほどの知識もありませんが)、かに尽くしの夕食はさすがこの地ならではと感動させられました。ほかの料理でも、地元のものや手作りのものが多く、石川ご当地の魚介類には舌鼓を打ちました。細かいメニューを掲載するのも野暮なのでやめておきますが、「日本一の朝ごはん」は炭火まで出てきて豪華です。朝ごはんだけでもまた食べたい……。仲居さんがおしゃべりに夢中で、炭火の網の上のお揚げを焦がしたのはご愛嬌でしたが、お米の輝きやうす漬けの漬物など、優しい味を今も東京で思い出しています。
 次の日は山中温泉内でギャラリーを見学し、お茶碗を購入しました。山中温泉によく行く友人オススメの陶磁器のギャラリーで、目抜き通りにある「いずも堂」。珈琲も飲める落ち着いた店です。友人は正木春蔵さんという作家さんの器を購入していました。山中温泉に行かれたら、ぜひ足を運んでみてください。
その後、ついに「船でしか行けない温泉」大牧温泉に向けて出発です。

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