庄助 
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温泉エディトリアル

第7回 福井、石川へ

「どっかいい温泉ない?」
 久しぶりに休暇が取れたという大学時代の友人が連絡をしてきました。
「もちろん、いくつでも!」と答えつつ、一緒に出かける約束をし、ついに年末に石川県の山中温泉に出かけてきました。
 お能の好きな彼女との旅なので、加賀方面に出かけることに。このあたりは、ご存知の通り秘湯名湯の宝庫です。私自身は機会があまりなく、来たことがほとんどありませんでした。わくわくしながら小松空港まで飛行機で飛び、レンタカーで出発です。観光案内も兼ねて、今回は旅のご報告をしてみましょう。 
 空港を出て、まず目指したのは安宅(あたか)の関です。能の「安宅」、歌舞伎の「勧進帳」の舞台で有名なこの関所跡。兄の源頼朝に疎まれた義経が、奥州平泉の藤原氏のところへ向かう途中に、弁慶とともに山伏に変装してこの関所を訪れます。頼朝が設置した関所の関守、富樫が、変装した山伏の正体を知りつつも、主人を思い、決死の覚悟で演技をする弁慶にほだされ、見逃して関所を通すという名場面の舞台。右に波の高い日本海、左に安宅住吉神社の趣ある森。安宅住吉神社は「難関突破」にご利益があるとされ、就職や受験の祈願も受けるそうです。
 その後は、永平寺に向かいました。750年前に道元禅師によって開かれた、日本曹洞宗の第一本山であり、出家参禅の道場です。三方を山に囲まれ、急斜面に開かれた10万坪の敷地の中に、70ほどの殿堂楼閣が並んでいます。全体を伽藍から眺めると、その姿は圧巻でした。
 おかしくもかわいくもあったのは、人があまりいない時期だったせいか、若い10代とおぼしき雲水さんたちが、じゃれあってふさげあっていたこと。後で怒られるのかもしれませんが、映画『ファンシーダンス』を思い出させるシーンでした。福井市出身の友人に聞いたところでは、地元に住んでいると小学校、中学校と何度も永平寺で座禅をさせられたそうで、小学校のころは「なんかお菓子持ってない?」と、お腹を空かせた食べ盛りの雲水さんたちに夜中に声をかけられたとか。いずれにしても、ここは泊りがけで修行体験をするのがいちばんだといいます。泊まった翌朝の早くに聞こえてくる声明は、えもいわれぬ感動があるそうです。時間があればぜひ泊まりたかったのですが、残念でした。
 福井は、12月ともなると雪が降るそうで、私たちが永平寺を出る頃になると、ちらほらと白いものがちらつき始めました。その中で、次の目的地は福井県庁にお勤めの知り合いから薦められた、勝山市の「平泉寺白山神社」です。
 ここは白山国立公園の一角にあり、白山信仰の社として有名です。比叡山延暦寺の勢力下に入り、一時期は僧兵8000名にまで力を持ったそうですが、その後一向一揆で力を落とし、明治の神仏分離令で寺号を捨てて、現在の神社の名をなすにいたったそうな。神社の後ろに寺があったりと、神仏分離令の結果が、建物の配置にわかりやすく現れていました。建物全体をまっすぐとらえられることができる参道は、「日本の道百選」に選ばれています。 
 雪がうっすらと降り積もる中での深山幽谷の神聖な空気は、めったに味わえないものでした。凍えるかという寒さではありましたが、教えてもらわなければ訪れなかったにちがいありません。雄大な永平寺とともに、苔むすこの美しい地を訪れてみてください。無駄足には決してなりません!
 さて、そこから高速道路を利用して、1時間ほど。ついに今回のハイライト、山中温泉の「かよう亭」に向かいます。温泉教授が『25点満点評価つき 温泉旅館格付ガイド』でも2つ星をつけていらしたこの名旅館。夕食の時間ぎりぎりに到着した私たちを副支配人はじめ、和服を着こなした仲居さんたちが丁寧に迎えてくれました。宿に到着したときのお迎えは非常に重要ですね。今回もそうでしたが、もてなしのお茶が温かいだけで体は生き返りますし、甘いものが出ると、一口だけであっても心が落ち着くのではないでしょうか。
 さあ、「かよう亭」は料理で有名です。格付ガイドから引用してみましょう。「この宿の真骨頂は料理だろう。食通の間ではもちろん評判で、腕のある料理長と知識ある経営者が北陸の海の幸と加賀野菜を盛り込み、加賀会席の新しい一ぺージを今も開拓し続けている」。 その味とはいかに……?

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